16ブロック
公開日:2006/10/14
主演 ブルース・ウィリス
その他の出演者
モス・デフ
デヴィッド・モース
16ブロックのあらすじ
ニューヨーク市警の落ちぶれた老刑事ジャックは、ある事件の証人であるエディを裁判所に護送するよう命じられる。市警本部から裁判所までは僅か16ブロック(約1.6km)。しかしその途中、二人は何者かに襲撃され命を狙われてしまう。
公式予告動画
16ブロックのレビュー
<レビュー記者:30代男性>ジャックが護送するエディは、ジャックの元相棒であるフランクたち悪徳警官の犯罪行為を目撃しており、証人として裁判所へ向かう間に命を狙われることになります。エディを守るため、かつての仲間である警官を撃ってしまうジャック。16ブロック先の裁判所を目指して、ニューヨークの街を舞台にしたフランクとの息詰まる攻防が始まります。
今作のブルースは、酒浸りでしょぼくれたよれよれの中年親父。ダイハードのマクレーン刑事役もある意味よれよれしていますが、正真正銘のぱっとしない疲れた警官として登場します。逃避行の間も古傷の足を引きずり、常に荒い呼吸を繰り返す頼りにならない男。ずっと横で喋り続けるエディにいつブチ切れるのかとハラハラしますが、そんな気力すらないようです。
映画のテーマとして貫き通されるキーワードは、「人は変われる」。運は無いが未来の希望を信じるエディが繰り返し口にするこの言葉が、過去を引きずり続けるジャックの心を次第に変えていきます。
このエディの、人が良く憎めないキャラクターがまたいいです。彼の夢は、刑務所内で独学で習得したケーキ作りの知識を生かして、ケーキ屋を開くこと。毎日誰かの誕生日だから、誕生日の人向けのケーキ屋に特化する、というお店のコンセプトがそれを体現しています。
目玉の飛び出るようなどんでん返しはありませんが、落ちぶれた男が良心を取り戻し「変わっていく」様を、ハラハラする展開と共に楽しめる映画です。