沈黙ーサイレンスー
公開日:2017年1月21日
アンドリュー・ガーフィールド
アダム・ドライヴァー
浅野忠信
イッセー尾形
リーアム・二―ソン
窪塚洋介
沈黙ーサイレンスーのあらすじ
17世紀初頭、江戸時代の初め、日本は徳川幕府の政策により切支丹弾圧を行っていました。日本で布教活動をしていたフェレイラ神父が、棄教して行方不明になったと聞いた弟子のロドリゴとガルぺ。師の消息を辿るべく日本に入り込みます。そこには異国の厳しい切支丹弾圧下、信仰にすがる信徒が居ました。想像を絶する拷問、弾圧に苦しめられ命を落としていく信徒達。救うことの出来ない現実の前に信仰に対する信念が揺らぐ・・・
公式予告動画
沈黙ーサイレンスーのレビュー
<レビュー記者:50代男性>遠藤周作の原作「沈黙」の映画化です。監督は「タクシードライバー」「グッドフェローズ」などのマーティン・スコセッシュ、「ディパーテッド」においてはアカデミー監督賞も受賞した巨匠です。
日本で棄教して行方不明になったフェレイラ神父の消息を尋ねて、日本に来た二人の弟子の宣教師は、長崎で厳しい弾圧に晒されながら、信仰にすがる信徒たちを目の当たりにします。この長崎奉行が指揮を執る弾圧拷問が熾烈を極めて、同じ日本人としてこのような残虐行為がなされたのかと目を覆いたくなります。
水責め、火あぶり、生き埋めなどの拷問にも屈せず信仰を捨てない信徒達の心の中を思うとぞっとします。あれだけの苦痛に耐えられるのは死んでもパラディソ(パラダイス・天国)に行ける、そこには安らぎや幸福があると信じているからだと思うのですが、それだけ現実の生活というものが、年貢などが厳しく生きて行くことが厳しかったという事でしょうか?
それにしてもマリア様の板を踏めば、唾を掛ければ拷問を免れることが出来るのに、それが出来ない。ある意味信仰というものは強くて、それを信じれる人は幸せかなという気持ちと、その激しさに恐ろしさも感じます。
目の前で犠牲になる信徒、弾圧拷問にによる苦悩に神の救いは無い。自らに与えられる責め苦には耐えることが出来ても、信徒の苦痛を見せつけられるのは耐え難い。「お前が棄教すれば・・・」それはもう信仰も揺らいでしまうのも仕方がない。
イッセー尾形の一見剽軽で残忍な長崎奉行、浅野忠信の冷酷な通辞役、良い味出してました。
一言で云うと暗い・難解・重い、ずしんと来る作品です。★4つです。