南極料理人
公開日:2009/8/8
主演 堺雅人
その他の出演者
生瀬勝久
きたろう
高良健吾
豊原功補
南極料理人のあらすじ
南極観測隊として派遣された7人のメンバーのため、西村淳は今日も基地で腕を振るう。厳しい環境、限られた物資。日々知恵を振り絞り変り者ばかりの隊員たちの胃袋を満たす。彼の仕事は、南極料理人。
公式予告動画
南極料理人のレビュー
<レビュー記者:30代男性>吐息もまつ毛で凍りつく極寒の世界で、曲者揃いの7人の観測隊員たちと、限られた材料を駆使して彼らの胃袋を満たしていく西村くんの、厳しくも楽しい南極生活の記録です。とにかく出てくる食事がどれもこれも異常に美味しそう。見ているだけでお腹が減る、食欲増進が止まらない困った映画。
平均気温-57℃という特殊な環境下でストレスに晒される隊員たちの、最大の楽しみが食事。焼き魚、納豆、卵焼きに味噌汁ご飯、という旅館の朝食のような和食の日もあれば、コース仕立てのフランス料理、ターンテーブルに並んだ中華料理の日も。意外とバラエティーに富んだ料理の数々を文字通り貪り食う隊員たちの姿に、見ているこちらも笑顔になってしまいます。
他の観測隊が置き忘れた伊勢海老で馬鹿でかいエビフライを作って茫然とさせたり、塊の牛肉を火だるまにしてステーキを作って茫然とさせたり、西村くんも負けず劣らず遊び心に溢れています。空も海も地平線の向こうまで純白の世界では、料理と食事ですらエンターテイメントなんでしょうね。隊員の一人が電話交換手の女性の声を心の支えにしているシーンを見ると、それを実感します。
作中ではラーメンがとても印象深い料理として登場します。大好物のインスタントラーメンの枯渇により、きたろう演じるタイチョーが無気力な生ける屍と化してしまい、基地内にも絶望感(笑)が充満します。果たして西村くんはこの危機を乗り切ることができるのか?そして隊員たちの運命は!
南極の厳しさも心温まる料理で包み込む、優しさに溢れた映画です。ぜひお腹ペコペコの空腹状態で見て身悶えしてほしいですね。